入学式

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「先生……絶対分かって無いですね……」 「何がです?」 僕が首を傾げると北村は微笑した。 「……いえ、なんでもありません。……理事長室に着きましたよ。」 「ありがとうございました。北村くんと……平田くん?」 「先生!なんで俺が疑問系なんですか!?」 「お前がうるさいからだよ。ほらもう行くよ」 「えぇ〜先生!また明日萌を見せ「うるさい」……黙ります……」 平田は北村に引きづられて帰って行った。 僕は目の前の扉を見て口が閉まらない。理事長室デカすぎ…どんだけ金投資してんだよ コンコン 「僕です。立花です」 「入っていいよ」 「失礼します。理事長」 「そんな固くなんないで義理とはいえもう家族なんだからね」 眩しい笑顔だなぁ爽やかイケメン。 「それでどうだった?初日の挨拶は?凄い挙動不審だったね」 クスリと笑っている義兄さんに恥ずかしくなる。 「あっ、あれは緊張してしまって…………」 「まぁ大丈夫だけどね。あのくらい。今日ここに呼んだのは学園のことでお願いがあったんだ」 「お願い…ですか…?」 「どのくらい知ってるかな?生徒会決めのこととか、クラスの仕組みとか、寮生活についてとか……新衛隊のこととか……」 「生徒会やクラスの仕組み、寮生活については分かるんですけど……新衛隊のことについて詳しく教えて貰いたいんですが……」 「あぁ、新衛隊はね、人気の生徒や先生につくんだよ。守るためって言っても過言ではないかな。不容易にその人気の人に近づいたりすると、近づいた生徒に制裁といって、暴力や強姦、虐めをすることもある」 義兄さんが何でもないというように言うのでそれがここの学園では普通なのかと驚いてしまう。 王道といえば王道だけど、なんでそんなの学園で認めてるの? 「朱里くんの言いたいことはわかるけど、学園の仕組みは生徒会が決めているんだよ。それがこの学園の昔からの伝統でね。もちろん危ないと思ったら処罰の対象になるけど、それに風紀委員もしっかり対応してくれているから」 いいのか??それでいいのか?? 今の時代ネットにこのBL学園の実態を流してみろ。多分炎上するぞ! 将来の日本を担う子供達が、ほも学園で過ごしていると思うと……僕は、日本の未来がすっっっっっごく心配です! 僕はホモが見れて嬉しいけど。 「そこで!朱里くんにお願いがある。朱里くんには近いうちに新衛隊をつくるから、その実態を教えて貰いたいんだ」 「えっ?どういうことですか?」 「新衛隊はどんなことをしているかまだよく分かってないのが現状なんだ。制裁ってことは分かるけど、それだけなのか、そうではないのか、それを知りたいんだ。それに、朱里くんは自分には新衛隊が出来ないと思ってるんじゃない?」 「当たり前じゃないですか。僕みたいな平凡には新衛隊なんか出来ませんよ」 そう言うと義兄さんは呆れ顔になってしまった。 「(……………)うん……そうかもね……だから、故意につくるんだよ!新衛隊の情報を貰うためにね!」 「……なるほど…?生徒会が中心となっている中、下手に介入は出来ないけど、新衛隊を作れば内情が探れるってことですか?」 「そうだよ!その通り!生徒会と言っても財閥の子達だらけだから、下手に介入すると大変なことになっちゃうんだよ……」 「まぁそのぐらいならいいですけど………新衛隊はどうやって作るんですか?僕みたいのについてくれる人はいないのでは?」 「そこは企業秘密で!!大丈夫!こっちで何とかするから!」 「まぁ分かりましたけど…」 「本当に?ありがとう!じゃあこれからよろしくね!!朱里くん!」 ニコニコ笑う義兄さんに姉が惚れた理由がわかった気がする。 でも、立花朱里は知らない。 この義兄さんが腐っていることを、姉と協力して萌を得ようとしていることも、今年度から生徒だけでなく教師含んだイベントがあることを… これから立花先生はどうなるのか…! 登場人物 理事長 朱里くんの義兄さん 腐男子で朱里の姉とはイベントで知り合った 今後の目標 朱里くんを総受けにすること! 「理事長はリバって姉が言ってた。旦那で妄想するのはどうかと思うけど……ホストに抱かれたり、抱いたりするのはおいしいと思いますよォ?」
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