遊園地デート(仮)

4/17
前へ
 /91ページ
次へ
「ゴホッゴホッ……」 胸を押され、思わず咳き込むと輝や、今来た七瀬が近寄ってくる。 「大丈夫?立花先生!」 「ちょっと!たっちーは体が弱いの!!これから遊園地行くのに体調悪くなったらどうするの!!」 七瀬が新に向かって叫んだ。 そういや、そんな設定あったな… 確か入学式当日に水をかけられた時に言った気がする。 「え?立花先生!体弱かったんですか!?」 「大丈夫ですか?寒くないですか?」 「アイツまじでなんなん?」 僕は皆から過剰に心配され、新は罵声を浴びせられる。不憫だけどこれは自業自得だよな… 「あんた、何してんすか?皆の前で立花先生の胸ぐらを掴むって凄いッスね」 風紀委員(仮)の小金新の腕を掴みながら新をバカにしたように鼻で笑う。 「何なんだよ!みんなみんな!!全部朱里のせいだからな!!俺の…俺の計画が台無しだ!」 「何してんだ」 会長とペアの書記があまりの騒ぎを聞きつけてやって来た。 「……あら…た……いじめちゃ……め!」 「新、こっち来い。こんなとこで騒ぎを起こすなよ。面倒せぇ、それにここだと分が悪い」 それだけ言って会長と書記は新と光を引き連れて先にバスに乗った。 何かもう行く前に疲れた… 「小金くんありがとうございました」 「大丈夫ッス!立花先生が無事で何よりッスから!じゃっ、俺行くんで!」 そう言って爽やかに去っていく小金。うん。良い奴だ。 「たっちーごめんね〜来るの遅くなって〜」 「そろそろ乗る時間だ。七瀬」 「ちょっと〜阿部っち来るの早くない〜?」 七瀬はすぐ近くにいた阿部に連れられて行った。いつも助かるな。 「先生……ごめん……僕のせいで」 そして僕は謝ってくる輝に対して罪悪感が湧く。 「違います。輝くんは悪くないですよ。むしろ僕のせいで迷惑かけたんですから…」 「ほら、今から遊園地なんですから。そんなくらい顔していたら楽しめないじゃないですか?早くバスに乗りますよ!」 僕が謝るが輝の顔色は戻らない。だが、優しく笑いかけると輝はこくりと頷いた。 バスに揺られて1時間半。 幸い体調の悪くなることがなく皆思い思いに過ごしていた。 「輝くんは遊園地行ったことあります?」 「小さい頃一回だけ」 会話が続かない。 輝は窓の外を見てずっと黙ったままだ。 少しは仲良くなれたと思ったんだけどな。 「ちょっと〜たっちーが困ってるよ〜?ちゃんと会話しないと〜」 前の座席に座っている七瀬がひょっこり後ろを振り向き、話しかけてくる。 「うっさいな!別に関係ないでしょ!」 「ていうか〜このバス小さすぎじゃない〜?こんなに隣と席近いとは思わなかった〜」 贅沢な文句を言っている七瀬財閥の次男坊。 充分広いけどこれでも小さく感じるんですか。そーですかー。 「僕はこのぐらいの方がいいけど」 「え〜?たっちーと距離が近いから?」 「はっ、はぁ!?何言ってんの!?違うから!そんなんじゃないから!」 七瀬がニマニマして輝をからかうと輝は全力で否定した。そんなに否定しなくてもいいのに…

最初のコメントを投稿しよう!

1132人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>