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 黒い衣服に身を包み、肩に金色のお袈裟をかけたお坊さん。年齢は40代くらいだろうか?  ザルを持って、ニコニコ笑いながら小豆を洗っている。とても優しそうな人に見えた。 「何か、困っているのですか? 辛そうな表情をしていらっしゃいますが……」 「最近、色々と疲れてしまって……」 「お仕事ですか?」 「家庭のこともありますかねぇ……」 「もし良ければ、私が小豆を洗い終わるまで、話を聞きますよ」 「いいんですか? お坊さんにお話を聞いて頂けるなんて、ありがたいです」 「遠慮なく、どうぞ」  私はお坊さんに、全部話す事にした。
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