水無瀬せれなはわかりやすい。

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今日は毎月1日に全生徒集会がホームルーム前にある。 生徒会の話やら校長の雑談やら生徒指導やらで結構退屈だ。 あとこの時期で全生徒を体育館に詰めるのが暑苦しくてしんどかった。 空調設備はあるが、快適とはいえなかった。順々と時間が過ぎ、最後の生徒指導の話の番だ。 ステージに上がったのは響谷先生だった。 響谷先生は最低限の話しかしないからあと5分くらいで終わりそうだ。 響谷先生は珍しくひげを綺麗に剃りあげていて、肩にかかる長い髪もうしろに一つにまとめ、目にかかる長さの前髪もセンター分けにし、清潔感のある格好をしていた。 あんなしっかりとした格好の響谷先生久しぶりに見た。 朝は髪の毛まとめてなかったな。 いつもあんなんでいいんじゃないのか。 響谷先生がマイクを取る。 ばたーーん!!! 後ろから何か倒れる大きい音が聞こえた。 「きゃああー!」 女子生徒が声を上げる。 全生徒がざわつく。 俺も後ろを見るが、人が多くて何があったのかわからなかった。 「おちついてください。」 「すいません、血が見えたので。」 なんだってー!?大丈夫か!? 「保健室に運びます。」 近くにいた先生が数人駆け寄った。 「うちの生徒か?」 響谷先生がぼそっと呟いたようだったが、マイクがその声を通した。 高い位置にいる先生は誰が倒れたか概ね把握しただろうか。 うちのクラスメイトっていったい誰だ。 突然あいつの顔が出てきた。 いや、なんであいつの顔が。 ざわつく中、先生たちの素早い出際で女子生徒が運ばれるのが体育館出口で一瞬見えた。 「水無瀬さん、暑さで鼻血と貧血で倒れたみたいなの。だいじょうぶかなー?」 「熱中症じゃなければいいけど。」 後ろから女子たちの心配する声が聞こえた。 おい、うそだろ。倒れた女子生徒ってあいつかよ。
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