みてるだけの朝。

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みてるだけの朝。

私の名前は水無瀬せれな。 とある高校の1年生。 私はクラス内では、物静かで全く目立たず、友達と呼べる子も1人しかいない。 クラスメイトとは、話しかけたれたら話す程度。私はよくいる陰キャラの分類だ。 とある11月の下旬だったと思う。 12月はじめに期末テストがあるのに、苦手な数学についていけなく、苦戦してた。 特に今回は数Aが私にとって難しく感じた。 テスト1週間前放課後は勉強する生徒が多く、私もそのうちの一人だ。 今日は放課後すぐに職員室にいき、数A担当の滝沢先生のもとに向かった。 先生のデスクに行くが、先生は見当たらなかった。 「滝沢先生に用か?」 隣のデスクの先生に声をかけられた。 その先生は授業で見たことはないが、職員室で何度か見たことはある。 髪が肩まで伸びて、髭の長さもムラがあり、目の下にクマがある。 格好も暗い色が多く、怖い印象だった。 「はい、滝沢先生どちらかわかりますか?」 私は隣の先生に滝沢先生の居場所をたずねる。 「滝沢先生なら、多目的室で生徒何人かに数Aを教えに行くって言ってたな。」 「生徒数人...ですか。」 困ったな。生徒数人に中に突然入るのは苦手だ。 「君も数Aを聞きにきたのか?」 「はい、でも今日は難しそうなので、明日にします。」 本当は今日が良かったが、無理だと判断した。 「もし君が良ければ、俺が教えるよ。」 予想外だった。まさか滝沢先生以外に教えてくれる人がいただなんて。 「いいんですか?」 「ああ、大丈夫だよ。ここじゃ無理だから、そうだな、俺の研究室でやるか。」 「先生、ありがとうございます!」 職員室を一緒に出て、1つ上の階に上り、先生の研究室に向かった。 教師だから当たり前なんだと思うけど、その時怖い印象は消えて、いい人に見えた。
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