みてるだけの朝。

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研究室に入ると、書斎のようだった。 先生たちには各科目ずつにシェア研究室が用意されていて、そこには各先生たちのデスクと応接のようなソファとテーブルが置いてある。 その研究室にはいま、私とその先生の二人しかいなかった。 「さ、適当に座って。」 「...はい。」 私はソファの端っこに座り、教科書とノートを広げる。先生が隣に座る。 「先生、私先生を職員室以外で見かけたことなくて、先生は2、3年生の担当なんですか?」 たまに職員室でこの先生を見かけてた。 だけど話したのは今日が初めてだ。 「俺は2年の数II担当だ。響谷デス。」 ここの学校の教員証を見してくれた。 響谷明日嘉、先生。 「数Ⅰ、Aも担当したことあるから、なんでも聞いてくれ。」 「あの、私は1年の水無瀬です。」 私たちは自己紹介をし合った。 「はい、水無瀬さん。じゃあさっそく始めようか。」 私はわからないところを理解しきるまですべて響谷先生に聞き、自分で解き、先生に見てもらい。気がついたら2時間も過ぎて6時を回っていた。
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