みてるだけの朝。

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私は1年で響谷先生は2年担当。 接点がない。 私は部活に入ってないし、響谷先生も部活の顧問をしていない。 私はどうにか、響谷先生のことについて知りたかった。 最初に調べたことは、響谷先生の授業の時間割を調べた。 だが、2年の時間割を知ったところで意味がなかった。 次に調べたのは研究室にいる時間だ。 昼休みや休憩を使って、研究室が見える場所を探す。 響谷先生のデスクの正面に窓があったのを覚えてる。 だからどこかから研究室の中が見えると思った。 1週間かけて、研究室を覗ける場所を見つけた。研究室のさらに上の階の図書室から研究室がみえた。 さらにカーテンが開いていれば、響谷先生もはっきり見える。 休憩や昼休みを使って先生の研究室にいる時間を常に記録するようになった。 ついでに響谷先生以外に同じ研究室を利用する先生もチェックした。 そして、響谷先生がひとりになる時間を分析した。 さらに次に調べたのは、響谷先生の学校滞在時間についてだ。 朝何時にいて、夜は何時に帰るんだろうか。これは簡単だった。 朝7時に登校し、教室の窓から、校門前を響谷先生が見えるまで、ひたすら窓を見る。 7時50分に響谷先生が出勤するのを書く人できた。 帰りは校門が見える場所の狭い歩道から見張っていたが、19時や、20時、さらに21時だったりといつも不定期の時間に学校を出ていた。 しかし、待ち伏せしてたおかげで神情報を掴めた。帰りを確認後、響谷先生はどこに住んでいるんだろうと興味が湧いてきた。 私は先生に気づかれないように跡を追った。 その先には私がいつも使う鉄道の駅に響谷先生が向かう。 驚くことに、私の使用鉄道が一緒だったのだ。嬉しさのあまり、私の心は高く弾む。 顔がニヤつく。 ホームにいる響谷先生の死角にいき、同じ車両に乗る。 なるべく気づかれないように、響谷先生に背中を向け、チラチラを観察する。 そして今日この車両に乗ったことをチェックした。しかし、こんな跡をつけて私はストーカーな行動をしていないかと気づいた。 良心がいたむ。理性と私欲が葛藤する。 駅だけでも知れれば十分だと言いきかけたが、その時響谷先生が電車を降りた。 そこは私の最寄駅を2つ過ぎた駅で家がお互い近いことにさらに気持ちが高まった。 私もバレないようにその場を下り、私欲にまけ、響谷先生のあとに改札を出た。 そして、響谷先生が駅から徒歩5分圏内のマンションのエントランスに入るのを確認し、私は駅にUターンした。 そして頭が冷えたのか、自身のいき過ぎた行動に後悔しながら、響谷先生の最寄駅とマンションをマップアプリでチェックした。
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