みてるだけの朝。

7/25

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
4月、月曜日。 今日から新学期だで私は2年生になった。 始業式のある日は10時登校。 今日は朝早く起きることができなかったので、始業式に合わせた時間に登校した。 桜がの満開だ。 道いっぱいに桜の花びらが落ちて、道いっぱい華やかになっていた。 登校する生徒たちが桜の話をする。 ピンク色でかわいいとか。 花びらが綺麗だとか。 だけど今の私には、桜も道に落ちてる花びらも、灰色に見えてしまう。 校門を過ぎると下駄箱の隣に新しいクラス名簿が貼られていた。私は自分の名前を探し、その教室に向かった。 教室に入る。 前一緒だった生徒、知らない生徒がもう友達作りをしていた。 私はそうゆうの苦手だからすぐに自分の席についた。 今日も響谷先生を見てない。 憂鬱だ。 早く図書館にいって研究室をみたい。 もしかしたら今日は研究室にいるかもしれない。 10時になり、予鈴がなる。 「はい、皆さん。席についてください。」 ここのクラスの担任の先生が入ってきた。 私は目を疑った。 生徒たちは雑談しながら席につく。 「はい。今日からこのクラスの担任になりました。響谷です。1年間よろしくお願いします。」 生徒たちはパチパチと拍手をする。 私はパチパチと必要以上に瞬きをする。 灰色だった視界が目の前の先生を見た瞬間鮮やかに輝き始めた。 響谷先生は紺色のスーツ姿でいつもよりさらに足が長くみえた。 髪をオールバックしていて、髭もなく、よく見たら眉毛はちゃんと綺麗に整えてあった。 久々に見た響谷先生は、清潔感いっぱいでカッコ良すぎた。 やっぱり顔顔が熱くなり、汗が出てきた。 思わず手帳でスマホを隠しながら、響谷先生の格好を素早く写真を撮った。 ひやひやした。 ばれてないよね? スマホを確認しようとしたら、手汗がびっしょりで驚いた。 写真はちゃんと撮れていて、テンションが上がった。 これから1年響谷先生が私の担任になるだなんて夢みたいな話だった。 私この教室、この席であってるよね? 間違ってないよね。喜びと不安が交差する。 「__水無瀬さん。」 その時名前を呼ばれた。 響谷先生と目がある。 やばいやばいやばい。 「...ふぁぃ!!!」 最悪だ、噛んで変な声が出て急激に体が熱くなる。 「はい。次宮崎さん。」 「はーい。」 どうやら名簿点呼をしていた。 ちゃんと私の名前呼ばれた。 やっぱり私は響谷先生の担任のクラスなんだ。嬉しすぎる。 その時私のみえる世界が変わった。 それは背景は全て桃色の桜であふれてて、私と響谷先生しかいない世界なんだ。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加