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やっぱり朝はしんどい。
7時に起きるのもしんどいのに、6時となると午前中眠くなる。
さらに言えば、特に月曜日がとても辛い。
1限目からとても眠い。
でも月曜日の1限は英語で癖の強いジョセフ先生だ。
寝ないように気をつけるが、意識が何回も飛ぶ。
よく隣の席の星崎くんに起こしてくれる。
気を使ってくれる星崎くんには感謝してる。
とある月曜日。
お約束のように意識が飛んで、星崎くんに起こされた。
そのとき、無意識によだれをすすったことに気づき、恥ずかしくなった。
私、もしかして、いつもよだれ垂らしていたのどうか。星崎くんのほうをチラッとみる。
目が合い、そして笑った。その時恥ずかしくて死にそうな思いをした。
6限後、響谷先生をぽーっと見惚れながらホームルームを過ごす。
「今日も皆さんお疲れさまでした。ホームルームは以上です。最後に水無瀬、この後すぐに俺と職員室にきなさい。」
名出しさせて驚く。
そして私の方をみる響谷先生。
恥ずかしくなり、すぐに視線を逸らした。
響谷先生が私を呼ぶ理由を考える。
すぐに思いついた。
それは。
「水無瀬さん、もしかして英語の居眠りじゃないの?」
私の考えを当てる隣の席の星崎くん。
毎週のように月曜日の1限起こしてくれる星崎くんがそう思うなら、やっぱりそれしかないよね。
「...たぶん...。困ったな。」
この後、ジョセフ先生のところに行くのか。
あの人、怖そう。さっき名出しした際、「俺と一緒に職員室にきなさい。」と言った。
もしかして響谷先生も一緒についてきてくれるのかな?
それは、嬉しい。
顔がほてってしまう。
身支度を整え、響谷先生のもとにいく。
「水無瀬、この後のこと、わかるか?」
「う、...はい。」
少し呆れ気味だった。
このとき、響谷先生の私に対する評価も下がったと思った。
さっきまで胸が弾んでいたのに、先生のその言葉で胸の中が空っぽになった。
響谷先生と一緒に無言で職員室に向かう。
階段を降りた先に職員室があるのに、長い道のりに感じた。
職員室前、響谷先生が立ち止まり、振り向いた。
「水無瀬、藤田先生に誠意もって謝れ。わかったか?」
「...はい。すいません。」
「そんな必要以上に不安な顔するなよ。」
私そんな顔してたの?
自分じゃわからない。
でも明らかに気持ちは沈んでいたのはわかる。私の視線は斜め下。
「大丈夫、俺もそばにいるから。」
突然私の視線は斜め上に上がった。
響谷先生がそばにいてくれる。
嬉しかった。
空っぽの胸に何かふわふわしたものが詰まってきた。
その後私はジョセフ先生に日頃の無礼を深く謝罪した。
そして隣のは響谷先生がいる。
その事が嬉しくて、プラス思考になれた。
ジョセフ先生に許してもらってもっと英語になろうとか、ジョセフ先生の授業でいい成績にして挽回しようとか、私に対するジョセフ先生の評価が上がったら、響谷先生もきっと褒めてくれると思った。
私の明るい謝罪で場の空気は暗くならなく、ジョセフ先生も軽く注意する程度になった。
「藤田先生、うちの生徒がご迷惑をおかけ、申し訳ございません。」
「もういいんだよ、響谷くん。水無瀬ももう反省して切り替えようとしている。」
先生同士の会話が終わり、最後に私と響谷先生はジョセフ先生に頭を下げ、職員室を出た。
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