水無瀬せれなはわかりやすい。

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1限目、英語の授業。 英語先生の藤田ジョセフ先生はとても癖が強い。 学校内でもトップに入るくらいやばめのなやつ。 アメリカと日本のハーフで大学院生までアメリカにいたらしく、英語の教え方もわかりやすいし、とにかく発音が外人そのものだった。 おしゃれでブランドものを良く身に着けている。 小太りで低身長で厳しく、プライドが高いので、あまり好かれてない。 それに目をつけられると厄介という噂がある。今日もわかりやすく、発音の良い癖のある英語の授業が始まった。 授業が始まった30分後が過ぎた。 黒板にはいつのまにか英文が一面と書かれてた。 俺もほかのクラスメイトも菱にノートに英文を移し、先生の声を耳で追う。そのとき、 「星崎!!」 低い声でジョセフ先生が俺を呼ぶ。 またか、と心の中でつぶやく。 ノートからジョセフ先生のほうを見る。 それはもう鬼のような顔で俺のほうを見ていた。 そして目が合ったとわかったら俺の横をちらちらと視線を運んで、最後に俺を凝視する。 『お こ せ。』 といつものように目で訴える。 自分で起こせよと言いたかったがいつも言えない。 俺も横を見る。 はあ、と小さい溜息をした後、隣で寝てるこいつを見る。 こくんこくんと頭が揺れて、よだれもたらし、がっつり寝ている。 たく、なにが予習復習だよ。 予習復習はな、授業中居眠りなんてしねえよ。こんな不真面目なやつ、きっと成績も中の下だろう。 ぽんぽんと肩をたたく。 「おい、おきろー。先生おこってるぞー。」 まわりに迷惑の掛からないくらいの小さい声で起こす。 そのとき、こいつのからだがぴくんと動いた。そして目が半目だがゆっくり開いた。 うとうとしてる。まだ寝ぼけてるな。 さらに肩を軽くたたく。 「おきたか?」 「...じゅる...。。。」 よだれをすすった音がなり、目をゆっくりと見開いて俺のほうをみた。 やっと起きたと思ったら、みるみる赤面になった。漫画の効果音でいうと「かああああ!!!」って感じ。 そして焦りながらバタバタと教科書とノートのページをめくり、授業に参加し始めた。 おかしすぎて、思わずその光景を見ていた。 ちらっとこいつが俺を横目でみて、目が合う。俺はからかいがてら、愛想よくにこっとした。こいつはさっと目をそらし、教科書で顔を隠した。 教科書で顔を隠しても隙間から赤面が増してるのがわかった。 やっぱりまた顔赤くしてやがる。 ああ、わかりやすい。水無瀬せれなは顔に出やすい。 あほみたいに顔に出てて、わらえる。 笑うのに耐えろ、俺!!
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