8人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
1限目、英語の授業。
英語先生の藤田ジョセフ先生はとても癖が強い。
学校内でもトップに入るくらいやばめのなやつ。
アメリカと日本のハーフで大学院生までアメリカにいたらしく、英語の教え方もわかりやすいし、とにかく発音が外人そのものだった。
おしゃれでブランドものを良く身に着けている。
小太りで低身長で厳しく、プライドが高いので、あまり好かれてない。
それに目をつけられると厄介という噂がある。今日もわかりやすく、発音の良い癖のある英語の授業が始まった。
授業が始まった30分後が過ぎた。
黒板にはいつのまにか英文が一面と書かれてた。
俺もほかのクラスメイトも菱にノートに英文を移し、先生の声を耳で追う。そのとき、
「星崎!!」
低い声でジョセフ先生が俺を呼ぶ。
またか、と心の中でつぶやく。
ノートからジョセフ先生のほうを見る。
それはもう鬼のような顔で俺のほうを見ていた。
そして目が合ったとわかったら俺の横をちらちらと視線を運んで、最後に俺を凝視する。
『お こ せ。』
といつものように目で訴える。
自分で起こせよと言いたかったがいつも言えない。
俺も横を見る。
はあ、と小さい溜息をした後、隣で寝てるこいつを見る。
こくんこくんと頭が揺れて、よだれもたらし、がっつり寝ている。
たく、なにが予習復習だよ。
予習復習はな、授業中居眠りなんてしねえよ。こんな不真面目なやつ、きっと成績も中の下だろう。
ぽんぽんと肩をたたく。
「おい、おきろー。先生おこってるぞー。」
まわりに迷惑の掛からないくらいの小さい声で起こす。
そのとき、こいつのからだがぴくんと動いた。そして目が半目だがゆっくり開いた。
うとうとしてる。まだ寝ぼけてるな。
さらに肩を軽くたたく。
「おきたか?」
「...じゅる...。。。」
よだれをすすった音がなり、目をゆっくりと見開いて俺のほうをみた。
やっと起きたと思ったら、みるみる赤面になった。漫画の効果音でいうと「かああああ!!!」って感じ。
そして焦りながらバタバタと教科書とノートのページをめくり、授業に参加し始めた。
おかしすぎて、思わずその光景を見ていた。
ちらっとこいつが俺を横目でみて、目が合う。俺はからかいがてら、愛想よくにこっとした。こいつはさっと目をそらし、教科書で顔を隠した。
教科書で顔を隠しても隙間から赤面が増してるのがわかった。
やっぱりまた顔赤くしてやがる。
ああ、わかりやすい。水無瀬せれなは顔に出やすい。
あほみたいに顔に出てて、わらえる。
笑うのに耐えろ、俺!!
最初のコメントを投稿しよう!