みてるだけの朝。

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私のマンションにつき、駐車場に車を歩かせる。 「今日はお父さん帰りが遅いのでうちの駐車場止めてください。672番の駐車場です。」 車を駐めて、助手席の扉が開く。 「ついたぞ。」 「はい。」 響谷先生の腕を掴み、車を出る。 エントランスにいく。 「先生、バックの内ポケットに定期ケースありますか?」 「カバンの中触るぞ。」 「はい、大丈夫です。」 響谷先生が私のバックの中身を見て、なぜかドキドキする。 「あったぞ。」 「ありがとうございます。」 私はケースを受けとり、ケース内の2枚のカードを出す。 黒いカードがマンションのだ。 色ならわかる。 黒いカードキーをつかい、エントランスの中に入る。 「何階の何号室だ?」 私は階と部屋番号を教えて、カードキーを響谷先生に渡した。 本当は答えたくなかった。 もうすぐ先生に触れれなくなるのだから。 エレベーターに乗り、私の家に到着した。 響谷先生がドアを開ける。 「水無瀬、お邪魔します。」 「はい、どうぞ。」 一応挨拶をする響谷先生。 それに答える私。 「そのまま靴脱いで。」 「はい。」 「目の前に段差あるから気をつけて。」 響谷先生に掴みながら、玄関から廊下にいく段差に足を運ぶ。 「左奥が私の部屋です。」 「ああ。わかった。」 廊下を二人で並んでゆっくり進む。 「あけるぞ?」 「はい、」 緊張する。今から響谷先生が私の部屋に入るんだ。 響谷先生が私の部屋のドアを開ける音が聞こえる。 その音が、とまった。 そしていつものルームフレグランスが香った。
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