みてるだけの朝。

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月曜日。いつも6時に起きる。 しかし今日は寝坊して7時前に起きた。 最悪だ。 響谷先生に今日電車で会えない。 目覚ましはちゃんとかけたのに、全く聞こえなかった。 寝坊した理由はわかる。 それは月曜日の響谷先生に会う事ばかり考えて、日曜日の夜なかなか眠れなかったのだ。 次会うのはいつもとは違う。 ベットの中で金曜日の出来事を思い出していた。 明日、お礼はなんて伝えよう。 どのタイミングで? 場所は? 二人きりになれないのかな? そんな事ばかり考えていた。 「ああ、せれなちゃん。おはよう。」 「おはよう、寝坊しちゃった。」 リビングに向かい、お父さんに挨拶をする。 月曜日は2限からだからお兄ちゃんはまだ寝ている。 お父さんも基本朝起きるのが早い。 平日の朝はお父さんと朝食を一緒にする。 今日は私が寝坊したから、お父さんはもう食べ終わってるみたいだった。 ソファに座ってたお父さんがキッチンに向かい、私の朝食を用意し始めた。 「でもまだ、間に合うよね?」 「うん、8時10分に出れば間に合うよ。」 あとは朝ごはん食べて、歯を磨いて、コンタクトレンズを入れるだけだ。 時計を見ると7時15分だった。 余裕で間に合うので今日はゆっくり通学しよう。 お父さんは焼いた目玉焼きとウインナーをお皿に並べ、私はトースターでパンを焼く。冷蔵庫から、前日にお兄ちゃんが用意してくれたサラダとヨーグルトを出し、カウンターで朝食をとった。お父さんもコーヒーをお代わりし、私の隣に座る。 「お弁当、ここに置いとくね。」 お父さんはカウンターテーブルにお弁当箱を持ってきて、ランチョンマットで包む。 「うん、ありがとう。」 「今日担任の先生にお礼、よろしくね。あと夕方俺からも電話すること、伝えといてね。」 お父さんは響谷先生は金曜日の件でお礼をちゃんと電話で伝えたいらしい。 平日になった今日、授業後に電話するらしい。 それを事前に私が先生に伝えるのだ。 「ホームルーム後に伝えるね。伝えたあと、メールする。」 「うん、助かるよ。」 ここだ。 ここで私も先生と話そう。 家にいるのに緊張してきた。 その緊張をまぎらわすように、カウンターからテレビを見る事にした。 食べ終わり、食器を片付け、洗面所に向かい、歯磨きを終わらせる。 あとはコンタクトレンズだけ。 しかしなかなか入らない。 やばい。焦ってさらに入らない。 「せれなちゃーん、俺もう時間だから。行ってきまーす!」 廊下からお父さんの声が聞こえた。 お父さんは8時前に家を出る。 もう8時!?急がないと! 「行ってらっしゃーい!」 洗面所から聞こえるように声を出した。 そのあと、お父さんが家を出て会社に向かっていった。 私ももう行かないと。 だけどコンタクトレンズが入らない。 響谷先生に勧められたコンタクト、今日から何があっても入れなければ。 コンタクトレンズが入ったのは、その1時間半後で、案の定遅刻。 学校に着いたのは10時半。2限目の始める予鈴がなり、走って教室に向かった。
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