みてるだけの朝。

25/25
前へ
/68ページ
次へ
7月に入り、全生徒集会が体育館でホームルーム前始まる。 暖かい空気に包まれた体育館で、立ちながらうたた寝をする。 どんな話をしているのか、毎回耳に入ってこない。あとどのくらいで終わるんだろう。 「最後に響谷先生から生徒指導の指導があります。先生、お願いします。」 この司会の生徒のセリフだけ、今唐突に耳に入ってきた。 響谷先生がステージの上がり、マイクを取る。 今日の響谷先生は一味違った。 長身のスタイリッシュなスーツ姿。 きれいに全て剃りあげたあごヒゲ。 首回りをスッキリさせたポニーテール。 目にかかる前髪はセンター分けにし、はっきりと顔を出している。 いつもラフな姿と違って今日は正装をしてきた。 その姿を直視したあと、私の体温は沸点に達し、目の前が真っ白のなった。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加