8人が本棚に入れています
本棚に追加
共闘戦線。
気がつくと、2度目の光景を目にする。
白い天井と周りは白いカーテンで囲まれている。
ああ、ここ、保健室?
なんでまた?
息が少ししずらかった。
鼻に何か詰まっているようだ。
手をやると、ティッシュが詰まってた。
また鼻血出してたのか。
私はなぜここにいるのか考えた。
その時、響谷先生の正装の姿がフラッシュバックしてきた。
まさか。
まさかまさか。
私それを見て、興奮して倒れたっていうの?
信じられない。
全身がじわじわと熱くなってきた。
ベットの枕を抱く。
「はあ、先生、いつもかっこいいけど、今日もまた素敵…。」
ベットに顔を疼きながらボソッとつぶやいた。
「え」
人の声がカーテン越しから聞こえた。
いや、低い男の声だった。
私は反射的にカーテンを勢いよく開けた。
「ひぃっ!!!」
カーテン越しにベットの前に立っていたのは、隣の席の星崎君だった。
星崎君は引きつった顔をして、動揺していた。私は恥ずかしくなり、抱いてる枕を思いっきり星崎君に投げつけた。
星崎君の顔に直撃し、バコンと嫌な音がなった。
「ぎゃう!!!なにすんだよ!」
よろつき、顔に手をやる星崎君。
なんでこの人ここにいるの。
「聞いてたでしょ!」
「はぁ!?なにを!!」
「だからっ!!!!」
信じられないほどに大きな声が出た。
だがこれ以上先のことは口にできなかった。
それになぜか敵対心で星崎君を見てしまう。
「響谷先生のこと、かっこよすぎて好きだってつぶやいてたやつ?」
最悪だ。
「そんな顔するなって。俺、お前が先生のこと好きだって結構前から知ってたし。」
絶望した。
言葉を失う。
どうして?
赤坂くんは気付いてなかったのに。
「てゆうかさお前、じゃなくて、水無瀬さん、先生にベタ惚れしてんの、分かりやすいんだよ。」
この人、こんな口調だっけ。
人を見下すようで、からかっているようで、嫌な気分になる。
星崎君は枕を拾い、ベットの上に置いた。
「バレバレなんだよ。電車も先生と同じのに合わせたり、先生の授業は無駄真面目に聞いたり。やっぱりさっき倒れたのって正装のせいなんだ。見ててウケるんだけど!」
この人は私をからかって、周りに言いふらす。そして響谷先生にバレる。
危険人物だ。
そう第六感が働き、勝手に体が動いた。
「ちょっ!おい!」
星崎君の腕をベットの方に引っ張り倒し、彼を仰向けにして馬乗りをする。
そして枕で彼の顔を思いっきり覆いかぶせた。
「バラしたら殺す!!!!」
「ムグーー!!!!」
星崎君が叫び、彼が枕を掴み、顔からどかそうとする。
しかし私も力を込め、彼の顔に枕を押させ詰めた。
「ぷはっ!!!はぁはぁ、っくそ!!!この野郎っ!!!」
しかしそれも数秒で終わり、どんどん星崎くんの顔から枕が離されていく。
私は彼の上で枕の取り合いっこになった。
「お前!シャレにならないぞ!人殺し!!」
「あなたが絶対に内緒にすると約束するなら、退きます!だけど信用できない!」
そう、信じられないからどんな手を使ってもこの人の口を塞ぐ。
「おちつけ!!!!」
その威勢の声と同時に枕を奪い投げ捨てた。
最初のコメントを投稿しよう!