8人が本棚に入れています
本棚に追加
宙に浮く枕に視線を取られ、その隙に星崎くんが私の両手を掴んだ。
私は力一杯両手を振り解こうと腕を振るが、力が強く降り不退けない。
「おい!おちつけって!あと、俺の上で暴れるな!」
私は諦め、両手の力を抜いた。
「あのな、周りになんて言いふらさないから。そんな小学生みたいなことしないから。安心しろよ。」
「本当に?絶対に?」
星崎くんを見下しながら睨む。
「そもそもなんで俺を疑うの?俺なんかしたか?」
わたしは黙ってしまった。
それは根拠無く、星崎くんが言いふらすと思い込んでしまっていたのだから。
理由なんてよく考えれば無かった。
第三者にばれ、いずれ響谷先生に知られるのをずっと心の底で恐れていたのだ。
「いや、さっききついこと言って悪かった。ごめん。」
意外な発言に驚いた。
「え、あ、う、うん、べつに。」
「そんな驚かなくとも。」
驚きを隠せなかった。
「俺、お前に協力させてよ。」
「は???」
何を言っているの、この人。訳がわからなくなってきた。
「だから、お前の片想い手伝うってこと。」
「はっ!!??」
だから何言ってるの、こいつ。
益々わからない。
「今のお前の力じゃ、片想いで卒業して終わるだけだ。お前に必要なものは協力者だ!俺がその協力者になって両思いにさせてやる!」
「何、言ってるの。」
またこいつ私をからかっているのか?
尖った視線でこいつを刺す。
「お前のダメな点は全然アプローチしないところ、すぐに焦るところ、緊張しすぎなところ。とか。」
私の短所をいくつもあててきた。
「用がない以外先生に自分から話しかけないし、雑談もしないだろ?そんなのただの教師と生徒の底辺の関係だ。お前は一人じゃそれ以上に行けないんだよ。」
なにこいつ、どうしてそこまで知ってるの?
「最後に!その赤面症でわかりやすいんだよ!!」
最初のコメントを投稿しよう!