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恥ずかしそうに、すぅっと小テストを渡してくれた。
97点。
嘘だろ。
何度も目をこすってこいつの小テストをみる。
何度もこすっても点数は変わらない。
おかしいだろ。
こいつ前回のテストで補習受けてたぞ。
そして点数の横に【great!】とはなまるが赤ペンで書かれてた。
響谷先生こんなのかくんだ。
「す、すごいね。数学得意なの?」
俺はひきつりそうな顔をなんとか出さずに聞いてみた。
たぶん苦笑いしてると思う。
「...うん。私、数学がすごく好きなの!!!」
ぎゅっと目をつぶりながら、こいつから大きな声が出た。
まるで大告白のようで、その音量で驚いた。
「そ、そうなんだ。へえ。...」
すこし引きかけた。
そんな叫ばなくとも。
しかし、こんなにはっきりと声聞いたのははじめてかも。
しっかり腹から声出るじゃん。
この時、響谷先生にも水無瀬せれなの声が耳に入った。
数学が好きと公表する生徒が担当クラスにいてうれしい。そう心の中でつぶやいていた。
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