水無瀬せれなはわかりやすい。

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今日は金曜日。 昼休みの昼食は赤坂歩夢といつも食べる。 俺は自分の席、赤坂は売れの前の席の椅子をかりて、俺の机で食べる。 赤坂は1年の時から同じクラスで仲が一番いいかもしれない。 見た目はチャラついてるが、中身は全然チャラくない。 剣道部で自分に厳しく、正義感強く、大真面目だ。 そして何より素で優しい奴だと思った。 だから赤坂だけは何にでもはなしてしまうくらい心を許してる。 天然で空気が読めないところは赤坂の短所だが、俺はそうゆうところもおもしろいギャップある美点だと思う。 昼休みが終わる10分前。 俺の隣の席のこいつが返ってきた。 「お、せれなちゃん、おかえりー。」 赤坂がこいつに声をかけた。 てゆうか赤坂、さらっとせれなちゃんって名前ちゃん呼びしてやがる。 お前らそんなに仲良かったのか? 「あ、うん。次、数学だから準備しないとね。」 俺はこいつを凝視した。 少し顔赤くないか。 長い前髪とメガネの隙間からピンク色の頬が見える。 「熱心だね。響谷先生そこまで厳しいかな?」 俺も一応会話に参加する。 「厳しくないし、むしろ、や、優しいし、、、数学はいい点とりたいし...。」 じわじわとこいつが赤面するのがわかる。 「せれなちゃんさ、前髪邪魔じゃないの?」 赤坂が全く関係ないことを話題に出した。 「俺さ、前髪目にかかるの本当に嫌いでね、すぐ髪切りに行くんだよねー。」 赤坂は確かに頻繁に散髪に行くと聞いた。 そしてこいつはいつも前髪が長く、メガネで顔もちゃんと見たことない。 メガネかけた鬼太郎みたいだ。 「うん、そんなにじゃまじゃないよ?」 そこで俺はからかうことを思いついた。 「水無瀬さんさ、前髪短いほうがきっと似合うんじゃないかなー?」 「っえ!?」 跳ね上がった声をだした。 「せれなちゃん、俺もそう思うよ!」 もうひとひねりするか。 「あとメガネやめて、コンタクトにしたら?絶対今より可愛くなるって!」 大半の女子が喜ぶセリフを言ってやった。 鼻で笑いたい気分だ。 そして案の定こいつは顔がぶわっと真っ赤になったのを確認後、心の中でめちゃくちゃ笑った。
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