水無瀬せれなはわかりやすい。

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5限目が終わり、次は6限目の体育だ。 響谷先生が着替える時間と移動時間のことを気を使い、金曜日の5限目は5分前に終わる。 今日は男子が校庭でサッカーで女子が体育館でバレーだった。 体育が終わり、更衣室で着替え、教室に向かい、自分の席に着こうとした。 その時、隣にはいつものやつじゃない女子が荷物をまとめていた。 「あれ?水無瀬さんは?」 女子の大半はもう教室にいたが、隣のやつはいなかった。 「水無瀬さん、さっきバレーでケガして、車で帰るみたい。」 「え?重症なの?」 意外な理由に戸惑う。 あいつがケガ!?大丈夫なのか。 「顔面にスパイクが当たってたの。かわいそうに。」 「うわ、すごいね。」 お気の毒だわ。 でも手足の骨折や捻挫じゃなくてよかった。 「ちなみに鼻とか顔の骨が折れたとかない?」 「ああ、顔を強く打っただけで、骨は折れてないって。でも鼻血出てた。思い出しただけでこっちも顔いたくなっちゃうよ!」 うわ、かわいそうに。 「でもさ、車で送るのってすこしおおげさじゃない?歩けないわけじゃないのに。」 骨折もしてないなら、顔をしばらく冷やせばいいんじゃないのか? 「あの子、相当視力が悪いみたい。だからひとりで歩かせるのは危ないから送るんだって。」 そうゆうことだったのか。 コンタクトにすれば、よかったのにな。 響谷先生が教室に入ってきた。 「先生!水無瀬さんの荷物全部まとめ終わりました!」 「おお、ありがとう。」 「はーい。」 女子がまとめた荷物を机の上において、自分の席に戻る。 ホームルーム後、響谷先生は俺の隣の席の荷物を持って教室を出て行った。
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