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「着いたな…やっと着いたな!」
どうやら気持ちが高ぶっているのはビルも同じらしい。
宝剣を前に僕とビルは喜びを分かち合った。目の前には宝剣が2振り、そして僕らも2人。人数通りの数があるのだから仲良く分ければいい。そう、何も問題はないのだ。
ここでビルは上機嫌に笑みを浮かべながら聞いてきた。
「なあ、アルス…お前はどっちを持ちたい?」
その言葉を聞き、僕は心の底からビルがお人好しで良かったと思った。実はこの剣には僕しか知らない言い伝えがある。
実はこの2振りの剣。片方はグラディウスという名の聖剣で、持ち主を守るだけでなく昼を司り、老いを遅らせる効果を持っている。
そしてもう片方はグラム。竜殺しの剣ともいわれる強力な魔剣で、どんな敵をも打ち滅ぼすが、剣には呪いがかかっており、使ったら最後、持ち主を呪い殺してしまうという恐ろしい代物なのだそうだ。
僕は迷わず、聖剣グラディウスを指差した。
「俺はこいつで魔王の攻撃を受け止める。お前はあの秘密兵器のような剣で止めを刺せ」
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