宝剣の行方

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 その直後に僕の背中に痛みが走った。ポトポトと口元からは血が流れ出ている。僕は目を白黒させていた。一体、何が起こったのだろう。  目の前で魔剣を握りしめているビルが笑っている。とうてい彼の表情とは思えない、後ろ暗い、歪んだ顔だった。 「お前が、ただの頭でっかちで助かったぜ…」  その直後に僕の背に突き刺さっていた剣が引き抜かれた。僕を刺したのは、先ほど死んだと思っていた軽戦士ジーンだった。 「英雄は…3人もいらないからな」  唾を吐き捨てながらジーンは言うと、僕の手から聖剣グラディウスをひったくった。その足が、僕の頭を踏みつけている。  ビルもまた人を小ばかにしたような笑い声をあげながら言った。 「予定通り魔王様に取り入ろうぜ。人間の王くらいにはしてくれるって言ってたし」 「もちろん、あばよ…英雄様」  ビルとジーンが立ち去ろうとすると、その胸にはそれぞれの宝剣が突き立てられていた。
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