5日目、朝。

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5日目、朝。

テレビに背を向けてパンをかじっていると、 「やぁねぇ、近くでこんな…」 とニュースを見ながら涙を浮かべてお袋がつぶやいた。 振り返ってテレビに目をやると、そこには見慣れた少女の写真が映し出されていた。 『昨夜、自宅アパートの押し入れの中で白骨化した状態で発見され……母親は自宅へは帰っておらず……』 アナウンサーは神妙な顔で原稿を読んでいる。 映し出されたアパートは、あの公園の向かいのものだった。 『被害者は……6歳、……部屋は散らかっており……』 …いやいやいやいや。 昨日も公園にいたよな? しかも、話しかけてきた【よ】な!? 白骨化…って、どんだけ放置したらなるもんなの!? …てか、まだあの子って決まってねーし。 だって、どう見たって3.4歳くらいだったじゃん? 別人に決まってる。 きっとそうだ。 いや、絶対に。 半ば自分に言い聞かせるも、心臓が爆発しそうだし、パンも喉を通らなかった。
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