『罰として、本当のことを一つだけ言おうか』

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 背を伸ばし、檀上へ立ち講堂で行事の挨拶をする姿にうっとりと夢見がちな顔をする生徒も多い。  実に華やかな印象が強いが、仕事の多くが雑用で占められている。  そう、生徒たちが学園生活をより快適に過ごすための組織であり、雑用係りでもあるのだ。  10月上旬といえば――文化祭前だ。イベント前に浮足立つ学園の裏で、生徒会執行部内は事務局を含め死屍累々たるありさまである。  申請書類の処理はいつも行ってはいるが、特に文化祭前になれば生徒会執行部に提出される申請書類はいつもの倍だ。  部活動団体より申請された文化祭展示品および、模擬店の予算報告書を目を通していると、隣の席で書類を目に通していた兄崎が春日の袖を軽く引いた。
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