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スーパー【さかいめ】
「この芋の、スフツチトテホなる物を一つくれ。」
このスーパーは人気店だ。
ただし、一部の人達に。
「ポテトチップスですね。はい、一つ120円になります。・・・その銀色の小銭を1つと茶色が2つ必要です。」
「すまない、まだ種類を覚えられてなくてな。世話をかけたな。」
「いえいえ、お買い上げありがとうございました。」
スーパー【サカイメ】。
高齢化が進んだ地域の商店街で、昼夜営業をしている私の店だ。
私がこの地域に来る前よりもずっと前、それも生まれる前はこの商店街もずっと栄えていたそうだ。
現在は高齢化などによって利用する人が減っている。その結果すでに片手で足りる程度の数の店しか残っていない。
この店ではお客さんの要望もあって、食料品以外の取り寄せもやっている。
そうしないとここではやっていけないのだ。
すでに混雑する時間帯は過ぎており、店内にはまばらだがお客さんがいる。
ふと時計を見ると、もうすぐ朝の6時になるところだった。
「もうすぐ朝の6時になります。閉店しますのでお帰りください。またのお越しを待っています。」
私がそう言うと店内から文字通りいなくなった。少し寂しさを感じながら私は1人になった。
さて、10時になったらまた開店だ。
嬉しいことに今日もよく売れた。
補充が少し大変だから、今度あっちに許可をもらって従業員として雇えないか提案してみよう。
そんな事を考えつつ、売り場のメンテナンスを行ったのであった。
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