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1人目は先頭をしっかりとした足取りで歩いている。格好は着物だが、今のヘアースタイルにしているのか違和感はそこまでない。3人組のリーダーなのか他の2人は付き添っている。
2人目は猿顔の男でその後ろを歩き、時々先頭の男に何か伝えている。その度に先頭の男は頷いている。
3人目は人の良さそうな顔をしているが、何を考えているのか分かりにくい。他の2人と少し立ち振る舞いが違う印象を受けた。
3人組はレジへ真っ直ぐやってきた。
私が「いらっしゃいませ、本日は何をお求めですか?。」と問うと、
リーダー格の男は「尾張の酒が欲しい。妻や息子にも呑ませてやろうと思う。オススメが知りたいぞ。」とハキハキと明るく答えた。
「なんとお優しい、信長様は家族思いですな。私の子供達は私に近寄ろうとしませんぞ、やはり血の繋がらない養子はダメですなあ。家族の絆というものがありません。家康殿も長男とはどうですかな?。」
猿顔の男はどこか暗い笑顔を振りまきながら、物静かな男に問いかける。
「いえいえ、私も秀吉様と同じく長男と次男には避けられてましてね。実の子とはいえ、難しいものです。」
家康と呼ばれた物静かな男はそう答え、秀吉と呼ばれた猿顔の男は面白くなさそうな表情を一瞬見せたが直ぐに笑顔になった。そして話題を変えて、信長と呼ばれたリーダー格の男と話しはじめた。
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