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私は週末に図書館へ行くのが好きだった。
静かな空間で、好きな本を読む。こんな贅沢な時間はない。
私には友達もいない。だから本だけが友達の様なものだった。ぬくもりも何も感じない私だけど、本を読むと自然に涙が出たり…胸が熱くなったりする。不思議だった。
この時間だけ「人」に戻れる気がしていた。
「隣、いいですか?」
振り返るとそこには、同じ歳ぐらいの男の人。男の人に話しかけられた事なんて今まで無かった。どうしていいのか分からないまま、目を逸らす。…そんな事聞かなくでも座ればいいのに。
「本好きなんですか?」
「…」
何だろう…この人は?
本読んでるから邪魔しないで。
そして私は席を立ち、その場から逃げ出した。
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