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目の前に天使が舞い降りたかと思った。
白のウェディングドレスに身を包まれた私の孫娘は、さほどに美しかった。
「地上に降りた最後の天使、だな」
私の賛辞に、美咲はうっすらと頬を朱に染めた。
天使の美しさにさらに磨きがかかる。
目の前に、女神が降臨した。
あまりに眩くて、思わず面を伏せる。
フェイスシールドに朱い綱が映った。
美咲から伸びる朱のラインは数々の妨害に打ち勝って、太く濃くなっている。
今では伝説の朱い綱のように頑丈で、見るからに揺るぎない。
どうやら年貢の納め時である。
私もつまらない妨害工作をあきらめて、二人を祝福するしかないようだ。
もはやカッターで切れるほど、弱い結びつきではなくなっているのだから。
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