22人が本棚に入れています
本棚に追加
祝福(いわい)
祝福の拍手が作弥と美咲、若い二人を包み込む。
神父様の前で誓いの言葉を述べ、指輪の交換を行う。
そして互いのフェイスシールドを上げて、口づけを交わす。
そのとき私は見てしまった。
新婦が神社のしめ縄ほども太くなった朱い綱を、新郎の首に巻きつけている。
美咲はちらりとこちらを見て、ウィンクをしてみせた。
オルガンの音とともに、二人がバージンロードを通る。
薬指には結婚指輪。
新郎の首には朱い綱の首輪が巻かれ、リードの端は美咲の手に握られている。
私は祖父として、孫娘のつかんだ幸せに、心からの拍手を送った。
最初のコメントを投稿しよう!