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何故こんな風になってしまったのだろう。
あのハグやキス、も、航大はついふざけて、あるいは誰かと間違えて、だったのに、雪音が真に受けて抱き返してしまったから?
面倒な奴だと思われたのか。
しかし実際にこんなことで勉強が手につかない、などと弱音を吐いている雪音は、確かに航大にとっては面倒で鬱陶しいだけの存在なのかもしれない。
しかも他人ではないので無下に突き放すこともできないため、わざわざ自分が家を出なければならなくなったのならなおさらだろう。
次の土曜日。久しぶりに航大に会える。
もしかしたら、……もしかしたらそれが最後になるかもしれない。
いや、これからも家族であることに変わりはないのだが、航大との本当に心の通った関わりはもう二度と持てない可能性もある。
だからこそ、思い残すことがないようにとことん話したい。
どんなに酷いことを言われたとしても、無視されたまま離れてしまうよりはいい、筈だ。
雪音は静かに心を決めた。
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