本編

3/6
前へ
/8ページ
次へ
こんな人混みで投げ出す訳にもいかず、また手を引き続ける。 面倒な事に巻き込まれたなぁ。今日は、友達の誕生日プレゼントを買いに行こうと思ってたのに。ワタシ、何やってるんやろ。 さっさと警察に引き渡した方が良さそうやな。 スマホで交番の場所を調べた。 近い。運良く、交番は目と鼻の先や。 良く見ると、視界にも入ってる。 ワタシは手を引き、歩き続けた。 あと少しで、これもおしまい。そう思った時、 「◯△□×」 マナちゃんが何かを言った。 「なんて言ったん?」 「お母さん、死んでる」 「はっ?」 「お母さん、とっくに死んでる。やけど、お母さんに会いたいねん。何処におるん? お姉ちゃん、知ってるやろ?」 一体、何を言い出すと思ったら。 「そんなん・・お姉ちゃんにはわからへんよ。お母さんに会わせてあげたいんは山々やけど」 「なんで? だって、お姉ちゃんがお母さんをおらんくしたんやで」 「もう何を言うんよ。お姉ちゃんは、あなたのお母さんに何にもしてないよ。それに、そんな冗談言うたらあかんよ」 「嘘つき」 「嘘つきって・・・そんな事、ワタシがする訳ないでしょ」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加