もう大丈夫

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僕は何を聞いたのだろう。 もう、どう反応したらいいか分からない。 周りを見ても皆、戸惑ってるようだった。 雪代君達でさえ。 誰かの携帯の通知音が聞こえた。 浦方さんは自身の携帯を確認すると、一口紅茶を飲んで僕を見た。 「遥君。 咲坂靖幸と貴方のお母様は離婚なさるそうです。泣き寝入りしてしまっていた咲坂靖幸の犠牲者の方々からも多額の慰謝料をとわれると思うので。 後ほどお母様から連絡がくるでしょう。 この事件は貴方達の両親の離婚後、そして遥君が学園を卒業後に公表する予定です。 律月様の事は勿論公表しません。見世物にする訳にはいけませんから。ただ黒幕が咲坂靖幸だった事を公表します。 遥君達はこの事件は関係ありません。関係ない貴方達が被害を被るのは、我々も他の親族の方々も望んでいませんので。 理事長も遥君は自分の学園の一生徒なので守るそうです。 まぁ、今の雪峰様を追い詰めたのは貴方方ですが。これからは自分達がしてきた事を猛省し、生徒会の仕事を全うしてください。 お茶、美味しかったですよ。 失礼します」 雪峰君とお父さんの関係。 腹違いの兄弟。 両親の離婚。 もう何も分からない。今での優しいお父さんは嘘だと思わない。本当に僕の事を大切にしてくれた。 でも、昔悪い事に手を染めてたんだ。 悲しい。とても。 雪峰君に対しても、ずっと悪い人だと思ってた。 でも、違った。 僕はなんてことをしてしまったんだろう。演技じゃなかった…本当に苦しんでた… 罪悪感で押しつぶされそうだ。 「遥…大丈夫ですか?」 「翠先輩……ちょっと、まだ、頭の中整理できなくて…」 「「遥、今日は皆帰って休もう?そして、明日から仕事頑張ろう?」」 風紀委員長は僕らを見て何も言わずに出て行った。 雪代君は「仕事で償え」と言い出て行った。 「今日は解散だ。雪峰には今後極力会わない方がいいだろう。挨拶程度は良いと思うが…謝罪は雪峰がちゃんと落ち着いてからの方がいい。 俺達がする事は仕事だ。」 巽先輩はそう言うと、生徒会室から出て行った。 「遥、帰りましょうか。」 翠先輩に背中を支えられて寮へ僕達は帰った。
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