①きみの気持ち

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①きみの気持ち

入院中はほぼ毎日のように蒼汰が見舞いに来てくれていた。 そして今日、退院して寮に戻る。 そして当たり前のようにいる蒼汰。 割と蒼汰は過保護なきがする。まぁ、嬉しいけども。 「律月。入院してる間に寮は俺と同室になったから。」 「え?」 「もう身体が治ったといっても弱いのは変わらないだろ?だから俺が理事長に律月と同室がいいってお願いした。すぐに了承してくれて荷物も移動済み」 「なっ…。なんでそこまで…」 「何?嫌?」 「べ…別に嫌、じゃない…けど。でも、蒼汰にはよくしてもらいすぎかなって…」 「俺が好きでやってる。以上。」 今だって、入院中の荷物ほぼ持ってくれてるし。 本当、なんでここまでしてくれるんだろう。 聞いたとしても、また好きでやってるって言うんだろうな。 「俺は、おまえが危篤状態になった時気が気じゃなかった。」 急に? 「だからこうして、退院して、自分で歩いて…俺はすごく嬉しい。」 滅多に笑わない蒼汰。でも今はすごく優しく微笑んで… 「な…急に何…」 「別に。ただ言いたかっただけ。そういや食事もある程度取れるようになったんだろ?今まで昼飯食えなかったけど、これからは量は少なくても一緒に朝昼晩食えるな」 いたずらっ子のように話す。 「だからっ……」 何、今日はどうしたの。 「律月。俺、律月の事、好きだよ」
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