5月

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「静かにしろー…朝礼するぞー」 ガラッと扉をひいて、眠そうな藤谷先生が入ってきた。 藤谷先生はホストの様な格好。見た目はチャラチャラしてるがやるときはやる人だ。 面倒くさがりだが真面目な人…だと思う。 「朝から何騒いでんだ?…俺に迷惑かけんなよ」 あくびをしながらだるそうに言う。 すると、咲坂くんが立ち上がって 「ごめんなさい…雪峰君が寝坊して遅刻したのに、仕事で遅くなったって嘘をついたので注意したらちょっとざわついてしまって。気をつけます。」 頭を下げた。 しゅんとした顔で、涙目。 周りは、咲坂くんは悪くないよ、謝ることないよ、と励ましている。 悪いのは雪峰君だ、会計さんだと。また、ざわつきだした。 「あー?寝坊?雪峰はさっき書類届けに来たぞ?」 頭に?を浮かべて藤谷先生は言った。 それを聞いたクラスメイトは、どういう事?、え?とまたざわついて… そのままチャイムがなり、 「あー…雪峰は寝坊してないから。んじゃHR終了。今日は特になし。休みもいないし、頑張れよー」 それだけ言って藤谷先生は出ていった。 先生が出ていって、静かになり、雑談が始まった。 もう俺の遅刻した、してないの話はどうでも良くなったらしい。 俺もどうでもいいので本を取り出し、続きを読みだした。
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