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昼休憩に入り、咲坂くん忘れてくれないかなぁと思っていたのもすぐに打ち砕かれる。
授業終了後真っ先に俺の机に来たから。
「雪峰君!食堂行くよ!」
咲坂くんのお友達、このクラスの爽やか王子、早咲 翔君と一匹狼の 来栖 狼君は嫌そうだけどね。
「悪いんだけどぉ…俺は昼飯食べない派だから♪ごめんねぇ〜。二人と行きなよ♪」
ニコニコして断ってみる。まぁ、無駄だと思うが。
「なんでそんなこと言うの?友達が居ないから誘ってあげてるのに…。駄目だよ!そんな嘘ついたら!ほら行くよ!」
失礼な奴だなほんとに。
咲坂くんは俺の腕を引っ張り、無理矢理席から立たされ、俺は食堂に連れて行かれた。
二人は俺を睨んだままだが。
連れて行かれる俺と咲坂くんを見た周りの生徒は、仲良く手を繋いでると錯覚してるのか、「いいなぁ」と聞こえた。
良いと思うなら、代わってほしいものだ。
食堂に入ると、勿論歓声が響く。
「雪峰様が食堂に!レアな日だ!」
「咲坂様と手をお繋ぎになってる。お似合いだなぁ」
「雪峰様、これから毎日、食堂で食べるのかな」
「お昼でも雪峰様が見れるなんて嬉しい!」
咲坂様って言ってる子は咲坂くんの親衛隊の子だ。
初日で親衛隊できたよ。転校生なのに凄いと思う。
そんな事はどうでもいい。歓迎されてるのは嬉しいけど、昨日は我慢できたけどさ、食べ物の匂いが凄くて長居できないんだけど。気持ち悪くなるから。
咲坂くんは、向かったのは何故か役員専用のところ。
「咲坂くん?そっちは行けないよぉ〜。役員じゃないからぁ」
食堂では2階席があり、そこは役員専用になっている。
そう注意すると咲坂くんは何故か驚いていた。
「巽先輩から許可してもらったから、行けるよ!翔も狼も僕と一緒なら行っていいって翠先輩に言われたから。大丈夫だよ。」
そっか…許可したのか。
会長達すごい特別扱いしてるじゃん。
親衛隊がいる生徒だとしても、咲坂くんは一般生徒だ。
「いいなぁ」とか「しょうがないよね」ですむ者が多いかもしれない。それでも、中には嫉妬をし、嫌な思いをしている子も居るだろう。
役員しか行けない2階席に特別扱いされてるのを見て良くない思いをしている生徒も居るだろう。
役員は一般生徒の親衛隊がいる生徒より、影響力が強い。一生徒を特別扱いしたら、その特別扱いしてる生徒に危害が及ぶかもしれない。考えられないがそういう学園だ。
役員は、それくらいの立場であることを理解し行動しなければならない。
こんなこと言っても今の彼らに通じないと思うけど。
咲坂くんしか見えてないからね。
要するに、問題とか面倒事が起こらないといいなぁって思ったんだよ。
そんな事を考えてる間にスタスタ行っちゃってさ。
「早く!僕お腹空いたんだから!」
知らんがな。
俺は空いてないんだよ。
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