5月

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迎えに行った副会長は、生徒会室に戻ってきて、今まで見たことのない笑顔で言った。 「咲坂くんを好きになってしまいました。」と。 一目惚れで、笑顔を指摘してくれた事が嬉しかったらしい。 こんな副会長は見たことが無い。珍しい姿の副会長に好奇心を抱いた生徒会のメンバーはお昼に会いに行くこととなった。 転校生の事前の資料には顔写真も添付されてあるから顔は知っていたが、副会長を惚れさせたとなり、実際に見たくなったのだろう。 そんな頬を染めた副会長をいじる皆を見て、俺は、副会長にとうとう春が来たんだなと、他人事のように思っていた。
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