もう大丈夫

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翠side 急いで医務室へ向かった渉。 私達は何が起きたのか分からず見ることしかできなかった。 遥も今の騒動で電話どころじゃないと思ったのか後でかけると言って電話を切っていた。 「今、何が起きたの?」 双子の兄の方の遥斗が聞いた。 それは私も知りたい。 すると難しそうな顔をしていた弟の侑斗が口を開いた。 「律月。遥のお父様の話がでたくらいにおかしくなった気がする…」 「遥の?」 「うん。翠先輩が咲坂靖幸さんって言った時かな?」 雪峰は遥のお父様を知っていた? 取り乱すくらいに? 「雪峰は遥のお父様を知っていたということですか?」 「え、わかんないよ。ただおかしくなったのがそのタイミングだったと思っただけ」 「え。…で、でも僕のお父さん、雪峰君の事は知らないはずだよ?ここに入る前、雪峰君は素性が分からないから近づくなって言われたから。」 遥のお父様は雪峰の事は分からず、雪峰は知っている? 遥には聞けませんが、雪峰が「いやだ。助けて」と言ったのは聞こえました。 侑斗は遥のお父様の名前を聞こえてからおかしくなったと。 雪峰と遥のお父様の間で何かトラブルでもあったのでしょうか。 「このままいても仕方ない。仕事が残ってるんだ。まずは終わらせるぞ。」 会長の言うとおり、私達は何もできない。 まずは仕事を片付けるのが先です。 「すみません。そうですね。仕事をしましょう。」 皆席につき、仕事をし始めて数分後、扉の外からバタバタと走る音が聞こえたと思ったら勢い良くドアが開いた。 現れたのは風紀副委員の雪代君、と中には入ってこないが前に会ったことのある雪峰の専属執事、浦方さんがみえた。 「おい。お前ら律月に何をした」 雪代君は私達が何かした前提で話す。 「何もしてませんよ。急に具合が悪くなったんです。私達も困惑したんですから。」 「ねぇ、それより律月は?」 侑斗が雪代君に問う。 「…少しは落ち着いた。お前らのわんころがすぐに連れてきてくれて助かった……それは礼を言う。が、急に具合が悪くなるはずがない。何か知ってたら言え。」 「遥にお父様から電話かかってきたの。多分会計になったからお祝いの」 「遥の父親?」 「私の父が咲坂さんとご一緒したことがあるんです。だから咲坂靖幸さんって言ったら侑斗いわくおかしくなったと。」 ずっと黙って聞いていた浦方さんが入ってきた。 「咲坂靖幸は、律月様にトラウマを植え付け壊した元凶です。」 「え?」 無表情の浦方さんは真っ直ぐ遥を見ている。 「貴方のお父様は、自分の糞な性癖の為に二人、いや、複数の方々の人生を壊した人間なんですよ。」 「な、…何を…。優しいお父さんが、そんな事するはずないじゃないですか!変な事言わないで下さい!」 「私がここに来たのは全て準備できた事を伝える為です。」 「え?」 もう仕事どころではない。 何か嫌な予感しかしない。関係は無いのかもしれませんが、ちゃんと聞かなければならないような。 雪代君も知らなかったのか、「浦方さん?」と小さくもらした。
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