宝剣の行方(まとも? なパーティーの場合)

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 荒野の果てには岩があり、その天辺には2振りの剣が突き刺さっていた。  それを見た僕は言い伝えの通りだと思った。僕と相方のビルは長い冒険の果てに、この場所にたどり着くことができた。  なぜそんな過酷な冒険をしているのかと言えば、もちろん魔族の長を倒すためだ。魔王は強大な魔力を持っているだけでなく、狡猾さでも僕ら人間を凌駕している。奴らは既に多くの国を滅ぼし、僕らの故郷が滅びるのも時間の問題となっている。  その魔王に対抗できる唯一の手段が、この目の前にある封印された古の宝剣である。  考えてみれば、ここに着くまでに幾つもの試練が待ち受けていた。12人で出発した冒険者チームも、最初のドラゴンの襲撃で4人が犠牲になり、次の灼熱砂漠で水が無くなって魔導士2人を失い、3番目の魅惑のオアシスで魔女に襲われ3人が死に、先ほどの宝剣を守るキメラとの戦いで、ジーンの奴も息絶えてしまった。  でも、彼らの犠牲は決して無駄にはならない。すでに僕とビルはこの古の宝剣2振りの前に立っている。もう人類は魔王に怯えなくてもいい。そんな力をもうじき手にできる!
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