その手の温もりで俺は

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達也は一周と言いながら少し足を伸ばして海の方まで走って行ったらしく、慣れないスポーツカーでスピードが出過ぎたんだろう ハンドル操作を誤って反対車線の歩道橋に突っ込み車は大破、達也は心肺停止の状態で病院に搬送されていた そうとは知らない俺は達也の戻って来るのがあまりに遅いので心配になってきていた 携帯に電話するにも電波が届かないとかなんとか言っていた いよいよ心配になって来た俺は居ても立ってもいられない嫌な予感がしてきて 2時間近く経って警察から俺に電話が来て、乗っていたのは別人だとわかる有様だった ナンバーから俺を割り出して掛けてきたんだろう 俺は警察に達也のことを告げて病院を聞き出し急いだ 病院にかけつけると必死の手当てを施している状態だった 知らせを聞いたご両親が泣きわめき取り乱した状態で入って来られた 間もなく、医師から死亡が宣告された
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