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授業が始まり、薫先生が何一つ脱線せずスムーズに授業を進めると、あっという間に授業は終わり、次の授業が始まろうとしたとき自分の体に異常が起きた。
どのような異常かというと、急激に体が痛くなったのだ。
い古円座などに掛かったときと同じく急に体の節々が痛くなり、体の内側からとてつもない激痛を感じ何か無理やり変えられているかのような痛みを感じた。思考が定まらず、一体、何をすればいいのか分からなり、そのまま倒れこもうとした瞬間、慧が自分の様子がおかしい所に気付くと、そのまま先生に連れられ保健室に連れていかれたことは覚えている。
そして今、自分は保健室のベッドで寝ていた。
先ほどまでの激痛は無くなったがいつ再発してもおかしくない状況だった。
「にしても痛いなぁ」
そう呟きながらゆっくりと寝返りを打うと、やはりまだ体の節々はまだ痛く、寝転がるだけで痛みが体に走った。
カチッカチッ、と保健室の時計の針は進んでいき、静かな空間に響き渡り今の自分が孤独に近い状況であることを指すかのように時計の針は進んでいた。悲しい感情とか、苦しいという感情とか既に無く、徐々に人の子悪露が人の心じゃなくなるような感覚があった。色とりどりの感情が真っ白に染まるかのように自分の体は変化していくような感覚があった。
まるで保健室の色と同化するかのように自分の感情は染まっていく。要らないかのように、他の色が消えていく。
孤独の色は、白と言うが、本当にそうなのかもしれない。
感情が止まり、思考は停止する。心の水面も波立たないため、徐々に外側から存在が蝕まれる。
あぁ、このまま白に染まるのなら、いっそ、消えた方が良いのかもしれない。
「あ、もう、起きてたの?」
そんな事を思っていながらボーっとしていると、保健室の先生が戻ってきており、自分のベッドのカーテンを開ける。
「あ………はい」
そのような状況に自分は弱弱しく返事をすると、保健室の先生も心配そうな顔を向けていた。
「本当に大丈夫?」
「大、丈夫です………」
本当の所、全くと言っていいほど大丈夫の類では無かったが、本訴少しでも気持ちを落ち着かせるため、そして、先生の心配を『掛けさせないためにも自分は保健室の先生に無理やりひりだした大丈夫、という事を場を吐きかける。
だがさすがに公務員試験を終え、一人の教員として働いている先生は自分の表情を見破り、自信の口の中から出てきた大丈夫と言う安心されるための言葉が更に先生としての力に火をつけたのだろうか。疑わしい目で自分のことを見てくる。
「本当に大丈夫なの?」
「えぇ、大丈夫………ですよ」
心配そうな声を上げる先生を見ながらも自分は平気そうな言葉を吐き出す。
「………そう、分かったわ。また、痛くなったら呼んでね」
「分かりました」
そう自分が言うと保健室の先生はその場を去り、自分は再び一人残されるベッドにへと戻り果てる。
「はぁ」
重い溜息が自分の口から漏れながら、自分はそのままボフッ、と大きな音を立てながらベッドにへと倒れこむ。
例え周りに誰がいようとも自分はその大きな音を倒れながらもベッドにへと入り込むと、寂しい気持ちを我慢するように掛布団の中で足を組む。
「ん?」
すると、あることに気付く。というか、無いことに気付く。
慌てて体を思いっきり上げ、愛人の股間にへと触れる。
「………………」
無い。
何が無いかと言うと、本当はあるべき物が無かった。
「もしかして…………」
そして、自分の手をそのまま胸元にへと移動させると、そこには、男性には滅多に無いものがあった。
「………………嘘」
そんなことを考えてしまうと、自分の頭の中では一つの回答が出てきてしまう。
この体、女性になっています?
そう一時的な答えが出てくると、次々と原因は何かと考え始める。
まずは何事も状況整理が大事なのだから。
・一つ、今日は何気ない一日だった。
・登校路、変な人には合わなかった。
・不審物に触れた形跡はないし、触れた記憶も無い。
・空から液体が降りかかったか。
・学校に来て普通に授業を受けた。(体育は受けていない)
・唐突に体が痛くなり、保健室に来た。
………………あった。
どこがおかしいとか、そのような事が無い、と言うわけでは無かった。よくよく考えてみれば、自分は今朝、投稿中に変あ液体が降りかかっていた。
絶対、あれが原因だとみる。あの絵来た。桃色の液体。
色がどう見てもやばいという事が、その証明となる。逆に桃色の液体なんて、怪しいものではないのなら一体何なんだというぐらい、不安要素が強い。
あぁ、だけど、女性になった。
女性になった!?
今一度、考えてみてもその言葉は常識から物凄く外れている。
原因は分かったけど、これ、どうしたらいいの?
「………………よし、隠すか」(迷案)
慌てる思考からひりだされてのはそのような回答。
確実と言えるほど、冷静の思考じゃ出てこない会頭に自分自身困惑しながらも無理やり押し付ける様にその解答を飲み込む。
諦めるしかないのだ。完全に何でこうなった、と言いたいほどの困惑を抱きながら、自分は今まで通り男性として、女性を日高くして生きていこうと決めた。
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