涙雨

やだ・・・今日も雨が降ってる・・・。

降り止まぬ雨・・・。
私は雨に濡れぬように、そっと傘を開いた。

ポツ…ポツ・・・ポツ・・・
傘が雨で濡れていく。

どんどん
どんどん

雨は降る
今日の雨も止みそうにない

私はひとり帰り道を急いだ

ポツ・・・ポツ・・ポツ・・
決して止まない涙雨
私の頬を滑り落ちる

その丸くて、透明な真珠は
止まることなく、次々とこぼれ落ちてゆく

「雨降ってきたからさ、今日傘もって行かなかったでしょ？帰り、雨に濡れると思って、迎えに来た・・・。」

私、折り畳み傘持ってきてるよ？
そう言ったら
あなたは、困ったように
少し恥ずかしそうにして

そして

照れたように、自分の頭を掻きながら

私の手を引いてくれた

あのとき
あなたの肩が雨で濡れていたことに
気づかなければよかった

ポツ・・・ポツ・・ポツ・・・
雨は降る
今日も雨は止みそうにない

私の頬を滑り落ちる
この涙雨の止め方を誰か教えてほしい

いつになったら、この雨は止みますか？
ふいに、強い風が吹いて
ギュウっと胸が苦しくなった。