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七歳の頃から、ぼくは鬼を飼っている。
鬼と言ってもいかつい姿をした鬼ではない。角があって赤ら顔で、とげとげのついた棍棒を持っている、そういういかにも乱暴者、というのとは違う。
ぼくの飼っている鬼は、ぶよぶよとした幼虫のような姿をしていた。
クリーム色と茶色をぐちゃまぜにしたような色をしていて、小さな触覚みたいな部分(角とも呼べるのかも)だけ薄赤い色をしている。掌を合わせてお椀の形にしたところにちょうどおさまる大きさ。
これが虫だとしたらおそろしく大きい蝶だか蛾だかに育つのだろうけれど、何年経とうともこの鬼が蝶になることも蛹に変わることもなかった。
もう十年以上飼い続けているけれど、鬼はずっとこの姿をしていた。
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