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何重にも連なった塔のてっぺん。だだっ広い部屋の天井は吹き抜けになっていて、星空の瞬きがよく見える。
天蓋の付いたベッドの上で、これで何度目になるのか、レイは絹のようなきめ細やかな柔肌を開き、自分を組み敷く男に身を任せていた。
男の名はキース。象牙色の肌を持ち、けっして筋肉質ではないものの、ほどよく引き締まった体は肉体美を誇っている。鋭利な顎と鋭い一重の目は凛々しく、美しい。
彼はこの国で唯一、神と通じることができる、"星読み"であった。
星読みとは、人びとの声を聞き、声を神に伝えることを生業にしている者のことだ。
そしてレイはキースの声を神に届け、神の声を降ろす、いわば"神の子"であった。
神の子が星読みの声や神に伝達するには、星読みに肉体から魂を共有する必要がある。
それはすなわち、星読みに抱かれることにある。そうしてレイは神の声や星読みに、はじめて声を届けることができるのだった。
レイの翡翠の目が自分を組み敷く彼を写せば、麦畑を思わせる黄金色をした襟足までの極め細やかな髪に口づけを落とす。
これの理由は、もう知っている。自分を組み敷くことの同意を求める所作だ。誠実な彼はそうやって、いつもレイの気持ちを尊重する。
だからレイは安心してキースに身を任せることができるのだ。
「んっ、あっ、あっ!」
色香を含んだ喘ぎ声を放ち、押し寄せてくる快楽に耐えきれず体を揺すれば、ベッドのスプリングが軋みを上げる。
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