責任と約束

5/5

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 ここはよくある剣と魔法の世界。  かつて魔王が世界を手に入れようと画策し、冒険者が平和な世界を守ろうとした世界。  そこに鉄仮面を被った男と小柄な少女の冒険者がいた。2人は世界中を旅していた。  ある人が旅の目的を尋ねたことがある。鉄仮面の男は何も答えずそっぽを向き、代わりに少女が少し恥ずかしそうに答えた。 「私の大切なものを探しているんだ。うっかりどこかに落としてしまった。諦めて落としたままにしても良かったのだが、持った責任、落とした責任、他にもたくさんの責任を果たさないといけないと思ってな。この人は私のそんな我儘に付き合ってくれているんだ。」  そういって微笑みながら鉄仮面の男の手に触れる。男はそっぽを向きながらため息混じりに呟いた。 「・・・約束したからな。」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加