わたしの青空

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わたしの青空

 多分、意識しないまま悲鳴を上げていたのでしょう。気がつけば、リアさんもリウロくんもわたしを見つめていました。 「リアさん、わたしは死人だったんですね」わたしはリウロくんを見て続けました。 「そして、この身体はサリナという人のもの……」 「きさま。その彼女に――」 「知らせてなかった。まあ、わざわざ教えるようなことでもないし」 「ふざけるな」 「〈インターフェース〉って天使語の意味わかる?」リアさんは彼を無視するように、わたしに話しかけました。 「いいえ」 「〈インターフェース〉は奏術を使ってこの世界に働きかけようとするとき、その仲介をしてくれて、奏術を強化してくれる道具みたいなもの。昔、間抜け王の国が連戦連勝だった頃、どこかの戦で〈黒のインターフェース〉を手に入れて、宝物殿だかの奥に放り込んであったみたい。それを偶然見つけたんだよ、あの連中。で、ずっとジリ便が続いてるからね、これさえあれば起死回生なんてね、そんなことを考えたんだよ」 「それでサリナさんを」 「自分たちじゃあ、〈黒のインターフェース〉なんか使えないからね。どこからでもいいから、かなり高度な奏術を使える〈守護者〉を連れてこないといけない。最初は取引的なことを、あちこちで持ちかけたみたいだけど、あの人たちは交渉上手には見えないし、そもそも、そんな話に乗る〈守護者〉なんていない」 「当たり前だ」低い声で、リウロくんが吐き捨てました。 「それで、むりやり攫おうとしたんですね」 「そう」 「じゃあ、リアさんは何を?」 「洗脳」とリアさん。 「王の手下が攫ってきた姫君を、あたしが〈愚者〉の奏術を駆使して、王の言いなりになる操り人形にしてしまう予定だった」
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