ひとりぼっち

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ひとりぼっち

僕はひとりぼっちだ。 どれだけ人の溢れた街にいても、満員電車にいても、どこにいても僕は周囲から切り離されている。 ただ一人でいる、ということではない。 孤独なのだ。 それは物理的な問題ではない。 精神が孤独なのだ。 すべて僕のせいだ。 愛する人には見放された。 仕方のないことだ。 まともな職も見つからず、職を転々としている。 不安定な毎日は僕の心に大きな歪みをもたらした。 周りの人間がどんどん立派に大人になっていくのに、僕だけが子供のままで取り残されている。 焦燥、劣等感。 両親にはもうしばらく会っていない。 夢を追いかけたいと言ってここまで出てきたのに、僕は何をしていたんだろうか。 真空よりも空っぽな毎日を、僕はひたすらに浪費してきた。 そんな怠惰と空虚に支配された毎日は、もう二度と戻っては来ないのだろう。 僕の一時の衝動が、全ての日常を木っ端微塵に破壊したのだ。 もう全ての歯車は狂い始めている。
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