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店からの連絡もない。探しても探しても見つからない。
諦めるしかなくて、1週間後に仕事の休みが被るので、旦那と買いにいくことにした。
誰もいないおじいちゃんの家に行って、まだ片付けられていない自分のものを整理しに来た。粗大ゴミの業者に頼んで、ある程度は整理できたが、おじいちゃんの遺品もあって、なかなか上手く片付かない。
なんとか、色々と終わらせて、ソファに腰をかけた。
2週間前のことを思い出す。本当にバカなことをしてしまった。
多分、トイレに流してしまったのだろう。
でなければ、こんな見つからないわけがない。
そろそろ帰って夕飯の準備をしなきゃと立ち上がった。
カラン、
コロン、
コロロロロン
何かが床に落ちた。動きすぎてボタンでも取れてしまったのかと思った。落ちたボタンを探しても見つからず、代わりに落ちていたものがあった。
「っ!?」
驚きすぎて声にならない。
心臓がドクンと大きく高鳴る。
私……、……疲れすぎじゃない?
ごくりと息を飲む。
しゃがんで、落ちたものを拾う。
それは私が2週間前まではめていた指輪とそっくりだった。
シルバーに輝いて、小さいダイヤが3つ並んでいて……。
恐る恐る手のひらに乗せる。
本当にこれが私のなら、裏に私と旦那の名前が──彫ってあった。
息を飲む。
そのまま混乱して、しばらく動けなかった。
何が起きた……?
なんで、落としたはずの指輪がこんなところに?
2週間前、どっかに引っ掛かっていて、座ったときにソファに乗ってしまった?
いや、だったら、そのとき立っていれば、同じように落ちていたはずだ。
心臓の音が鳴り止まない。
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