カラン、コロン、コロロロロン

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やっとのことで、寂しくなっていた左手の薬指に指輪をはめた。違和感が見事にない。 息を止めていたらしく、「はああああ」と大きく息を吐いた。 こんな奇跡ってある? こんな小説みたいなことって……ある?? 「……おじいちゃんかな」 呟いてみて思った。 おじいちゃんが、拾ってきてくれてのではないだろうかと。 私が泣いてしまったから、拾ってきてくれたのではないだろうか。 そう思うと、今度は感動で涙が溢れてきた。 違うかもしれない。でも、そう思いたかったのかもしれない。 「もう絶対に外さないよ」 ──カラン、コロン、コロロロロン この指輪との思い出がまた一つ増えた。 END
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