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噂の真偽など、本当はどうでもいいのかもしれない。
考えるだけでうんざりするが、とりあえず明日全てが終われば、自分の憂慮は消えてなくなるのだ。一晩だけ闇に包まれた学院の恐ろしさに耐えればいい。
朱里は覚悟を決めて、寝台の上で目を閉じた。
もし同級生達が企てた計画が露見すれば、学院からは生徒に対して厳しい罰則があるに違いない。停学くらいの覚悟は必要だろう。
恐ろしさに身が竦むと同時に、悪事に加担するという事実が更に気分を沈ませる。
どうかこっそりと、ひっそりと、全てが何事もなく終わりますように。
強く祈りながら、朱里はただ夜が明けるのを待った。
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