プロローグ:1 夢と現(ゆめとうつつ)

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 噂の真偽など、本当はどうでもいいのかもしれない。  考えるだけでうんざりするが、とりあえず明日全てが終われば、自分の憂慮は消えてなくなるのだ。一晩だけ闇に包まれた学院の恐ろしさに耐えればいい。  朱里は覚悟を決めて、寝台の上で目を閉じた。  もし同級生達が(くわだ)てた計画が露見すれば、学院からは生徒に対して厳しい罰則があるに違いない。停学くらいの覚悟は必要だろう。  恐ろしさに身が(すく)むと同時に、悪事に加担するという事実が更に気分を沈ませる。  どうかこっそりと、ひっそりと、全てが何事もなく終わりますように。  強く祈りながら、朱里はただ夜が明けるのを待った。
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