1人が本棚に入れています
本棚に追加
秘密
ぱらさんとの思い出を綴った小説を書いてみた。某小説投稿サイトに掲載したところ、なんと30位にランクインした。
快挙である。
何作品あるかわからないが快挙である。
喜びのツイートをしてみる。
「私の半生を描いた物語です」
ぱらさんが、引用ツイートしてくれたようだ。喜んでくれているのだろうか。ツイートにはこう続いていた。
「私もnoteを始めてみました」
どうやら、これから定期的に更新するようだ。ぱらさんの記事が楽しみである。
明くる日も明くる日も、ぱらさんはnoteをアップする。ツイートを添えて。
「noteを書くのが、だんだん習慣になってきました」
一度決めたことをやり抜く初志貫徹の精神。さすが息子である。
ここで、ある重大な事実がある。実はまだ誰もそのことに気付いていない。
それは、「私がぱらさんのnoteを一度も読んだことがない」という事実である。
なぜなのか。
考えなくても答えはすでに出ている。
「あとで読もう」
そう思うからである。いつもいつも見逃していた。
時の流れというものは残酷だ。Twitterのタイムラインは無残にも、ぱらさんのツイートをかき消していく。
「今すぐ読まなければ、ぱらさんのツイートが埋れてしまう……!」
ぱらさんのアイコンをタップして、今までのツイートを読み返してみる。そこには、過去にアップされたnoteがこれでもかと並んでいた。
「こんなにたくさん書いていたのか」
思わず目頭が熱くなる。これが鬼の目にも涙というものか。次第に私の気持ちは傾いていった。
「何から読めばいいのだろう?」
たくさんありすぎて結局読めずにいる。
〜完〜
最初のコメントを投稿しよう!