あなたにロマンスひとしずく

◇◇

『次はラジオネーム、ぼんやり受験生さんからです。タイトル、姉が国際ロマンス詐欺に遭いました』

『あらー、大変だったんですね』

勉強しながらラジオを聴いていた私は、よしっとガッツポーズした。

賭けに勝った私がお願いしたこと。「ラジオに送るメールのネタにしたい」だ。

ウィリアム（仮）は今日もどこかの女子を引っ掛けてるのだろうか、それとも改心したのだろうか。

あれこれ思いを巡らせながら、参考書のページを一枚めくった。

〈終〉