あなたにロマンスひとしずく

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結局、賭けの結果はその四日後に決まった。 ウィリアムのメールに、「百万円欲しい」ということが書かれていたらしい。わざわざ日本円に直して金を要求してきたあたり、ウィリアムの本気度を感じられた。 受験の鬱憤も吹き飛ばす勢いでゲラゲラ笑っていたら、本気ではたかれそうになってしまった。 ウィリアムもどうせ偽名だろうし、写真もきっと偽物だろう。フリー素材にありそうな顔だったし。 目の前の姉はがっくり肩を落としている。最終的にお金は取られていないし、そして英語力と人生経験を身につけたのだからウィリアム(仮)との関係はなかなか悪くないものだったように思う。 しかし、本気で恋をしていた姉にとっては大変ショックだったらしい。 何か励ますべきかと考えながら『外国人 恋人 詐欺』で検索をかけたところ、とある言葉を発見した。 「これ、国際ロマンス詐欺って呼ばれてるんだって。海外の人が恋人とか結婚相手になったフリをして、送金を要求するんだってさ」 「国際……ロマンス詐欺…………。ロマンス……」 姉は消え入りそうな声で、ぶつぶつとロマンスという単語を繰り返している。 申し訳ないと思いつつも、さらに追い討ちをかけた。 「私、賭けに勝ったからひとつお願いしてもいい?」
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